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息子が4歳の誕生日を迎えた2日後、私は、2人目の赤ちゃんを出産しました。
赤ちゃんは、女の子でした。
名前は、「千夏」と命名しました。妊娠中、名前も性別もわからないお腹の赤ちゃんに向かって、「田中」と呼んでいたことがあってか、息子は、生まれてきた赤ちゃんのことを、しばらく「なかのちゃん」と呼んでいました。
赤ちゃんが産まれたその日、久保田が、ケーキを持って病院にやって来ました。
「モーツアルト」という、おいしいケーキ屋さんのショートケーキをたくさん買ってきてくれました。
妊娠中、体重が増えないように、お医者さんから厳重な注意を受けてきた私は、妊娠中、甘いものをずっとがまんしていたのです。
久保田は、「赤ちゃんが産まれたら、ケーキを持っていってあげるね」と、約束してくれました。
さっそく二人で、ケーキを食べました。久々に食べたケーキは、とっても甘くて、あまりにもおいしかったので、2個ぺろりと食べてしまいました。
出産の知らせを受けて、産休に入るまで勤めていた眼科外来の看護師さんたちが、面会に来てくれました。
眼科の婦長さんが、ちょうどそこにいた久保田に向かって、「松岡さんには、よくがんばってもらって、頼りにしていたんですよ」と言ってくださいました。久保田は、婦長さんが帰ったあと、「ほんとうかなぁ。婦長さんの言ってたこと。信じられない」と、訝しそうに首をかしげていました。
私の、てきぱきと働いている姿など、想像もつかない。そんな感じでした。
「ほんとうだってば。もう。」と言いながら、私は久保田の肩をパシッとたたきました。(これがけっこう、痛いらしい。)
でも、久保田の隣にいる私は、いつまでも、ドジで、とろくて、頼りない。きっとそうなんだろうな と、わかっているのでした。(つづく)
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